東京から北海道に移住する記録

2024年4月の北海道移住に向けて書きます

東京でやっておきたいnのこと⑭サンライズ瀬戸に乗る

3月*日
サンライズ瀬戸に乗る

 

 

私もエスシも
電車好きというわけではないのだが

 

以前、「サンライズ出雲に乗って出雲に行きたい!」と思ったとき
まったくチケット争奪戦で歯が立たなかったことがあり
(結局深夜バスで行った)

 

北海道に移住したあとに
わざわざいちど東京駅に降り立って
そこからサンライズで瀬戸に行こう!

と思うほどの電車好きではないので

 

東京にいるうちに乗っておきたいね、
と計画した次第。

 

と言っても

2人用の個室はやっぱり今回も取れず
このさいもう別々でもいいよね、と開き直り
キャンセル待ちをしながら、ひとり用の個室を2部屋取ったのだった

 

21:50琴平行き

21時頃に東京駅に着いて
電車内で食べる用の夜ご飯を調達。

これに乗るのか…!

私もエスシもお酒を飲まないので
崎陽軒シウマイ弁当
紀伊国屋の桜エビのパスタにお茶という
ランチみたいな組み合わせ。

わーい

初めて見たサンライズ出雲/瀬戸は
もう、ホームから車内の寝台が見えていて
それだけではちゃめちゃにテンションが上がってしまい
他人の部屋なのに写真を撮りまくる。

旅情!

ふわふわしたまま乗車し
自分の部屋をみつけ

その狭さや
浴衣のパリパリ感に
またひとはしゃぎ

浴衣!毛布!!

狭い!(喜!)

向かいの部屋は
小学校低学年くらいの男の子で
周りには家族が別々の部屋を取っているらしく
出たり入ったり、行き来していたが

 

わかる!
めちゃめちゃわくわくするよね!
出たり入ったりしちゃうよね!!

 

と、小学生だろうと40代だろうと
楽しいものは楽しいよね!!を
心の中で共有する。

 

出発すぐに
ラウンジでエスシとご飯を食べながら
流れていく東京の夜景を見る

 

酔っているらしいご機嫌なサラリーマンが
ホームから手を振ってくれたので
当然、振り返す

 

有楽町通過

東京を出てからしばらくは
馴染みのある駅名が続く

なのに私はこの線路を夜行列車が毎日走っていることを知らなかった

こんなに近くだったのに!

毎晩こうして旅に出ている人がいたなんて知らなかった

 

自室に戻る

もう早めに眠くなってきたので
エスシと解散し
部屋に戻って浴衣に着替える

 

壁には照明や、ラジオの設備があるが
「ラジオサービス終了」のテプラが貼られていた

ラジオ、聴きたかったなー

 

私はもともとラジオが好きなので
こんな素敵なお部屋で、壁からラジオが聴けていたら
めちゃサイコーなのになー、と思っていたら

ラジオ深夜便みたいな深いしっとりした声が聞こえてきた。

 

車掌さんのアナウンスだ。

乗車のお礼や、到着予定時刻なんかを伝えた後、

これが最後のサンライズ号乗車業務であると、言った。

 

まじか。
私もつい先日(昨日だ)、仕事を終わらせてきたところだよ
と、胸がきゅっとした。

 

私は、憧れていたサンライズにやっと今日、初めて乗れた。
まだ乗ったばかりなのに、夜行はこれから始まるのに
もうじゅうぶんに、はちゃめちゃに嬉しくて楽しくて
これから瀬戸までの道のりが楽しみで楽しみで仕方ない。

 

一方で、車掌さんは
今までに何度も何度もサンライズに乗ってきて
楽しいことも辛いことも嫌なことも嬉しいことも
きっとあったであろうお仕事の、最後の日を迎えている。

 

私は昨日、退職して
ふとした瞬間に
十数年に渡る仕事のいろんなことを思い出したり
最終日に同僚たちと交わした言葉やなんかを噛みしめたり
寂しさと充実感とが交互にまだ何度もよみがえってくる

 

車掌さんは、今、そして今夜これから
車窓からの見慣れた景色を眺めながら何を思うのかな、
いやいや、感慨に耽る余裕なんかないかな、お仕事中だしな

など、思いを馳せ

 

私もわたしで、あーこの数日忙しかったな、
職場から持ち帰った荷物片づけなきゃな、
引っ越しの準備ここから本番だな…

 

など考えていたら眠くなってきたので
部屋の明かりを消して、外を眺めることにする。

 

目線の高さを通り過ぎるホーム
少しずつ通り過ぎる駅の明かりとか柱の数とかが減り


駅と駅の間の景色が
ビルからマンションに変わり
マンションから民家に変わる

家々。
斜面に灯りがひしめいていたり
タワーマンションだったり
奥行のある広さにまばらに建っていたり

 

そこここに、ひとの営みがあるのだな。
わたしの人生以外にも、たくさんの人の人生が。

 

 

川をこえて
明るい幹線道路を眺め
夜でもきらきらと動いている工場を眺め
昨日退職したわたしと
これで乗務を終える車掌さんとが乗ったサンライズ
一路、夜を西へ

 

 

眠いのに
興奮と、予想以上の電車の揺れと音とで
なかなか寝付けない

 

というか暗闇で
横になって聞く線路の音は
実際、速さも出ているのだろうけれど
けっこう怖くて

 

向かいの部屋の少年は怖がっていないだろうか、
いや、子どもって疲れたら電池切れたみたいに寝ちゃうしな、
などと
他人の心配をすることで自分の冷静を保とうとしたりなどしつつ

 

スマホradikoを立ちあげたら「TOKAIRADIO」「ぎふチャン」などが表示され
それでなんとなくの場所を脳内に思い描きながら
うとうとしていたら

 

夜が明けていた

朝。
岡山着で目覚める。

 

そろそろ起きておいて
瀬戸大橋を渡るところを見よう

 

具体的にはうまく表せないのだけど
山のかんじ?
空のかんじ?
建物のかんじ?

それとも、たんに早朝だからか
このあたりの景色は
関東とはぜんぜん違う

初めて訪れた地域の、初めての景色

 

瀬戸大橋通過。

思っていたよりずっとずっと長くて
初めてみた瀬戸内海の風景に
けっこうながい時間、見とれていた

 

30分くらいして
琴平に到着

おつかれさまでした

降りてくる人たちは
みんなちょっと眠そうで
でも乗車の満足と、旅のはじまりにわくわくしながら
ふわふわと改札口に向かっていった

 

 

**

このあと、うどんをめちゃくちゃ食べたり
小豆島をドライブしたり
エンジェルロードを渡れなかったり
海鮮をめちゃくちゃ食べたり
金毘羅さんの階段をめちゃくちゃ上ったりと
短いながらも盛りだくさんな旅行をしたのだけど

ひとまず、この投稿はここまで。

楽しかったなぁ、
サンライズ瀬戸
瀬戸内旅行も。