東京から北海道に移住する記録

2024年4月の北海道移住に向けて書きます

キンモクセイは北海道では香らないのか?

10月*日。

東京に、キンモクセイの香りが漂いはじめた。

 

 

関東で生まれ育った私にとってキンモクセイの香りは馴染み深く、
この時期特有のちょっとしたさみしさも相まってか、
過去の、淡い青春の思い出やなんかを想起させてくれるものだ。

 

が、北海道育ちのエスシには
キンモクセイの香りがわからないという。

 

最初のうちは、この香りと、「キンモクセイ」という名前と、樹の姿が結びつかないのだろうと思っていた。

「ほら、オレンジのちっちゃい花が咲く樹があるでしょ」と説明しながら、そうか確かにうちの近所にはキンモクセイってないか…でも香りはどこからともなく香ってくるんだよなぁ…一致させるの難しいかなあ…

なんて思っていたら、その数年後、目の前のアパートの建て替えとともに新しく植えられたのがキンモクセイだった。

しかし、

「ほら!これがキンモクセイだよ!」と示しても、エスシは怪訝な顔をするのだ。

そして言った、
「北海道には、なかったよ」。

 

…え?
そんなことある?
キンモクセイがない地域って、あるの??

 

ていうか、百歩譲って本当に北海道にはキンモクセイが無いのだとしても、
この香りがわからないなんてことある??

エスシ個人の嗅覚の問題なのでは?
いや、もしかして、嗅覚の発達って子どもの頃の環境に左右される??(憶測)
親しんでこなかった香りは、大人になってからは感知できないとか??(憶測)

 

 

で、今ググってみたところ、
キンモクセイの北限は東北あたりで、北海道にはないみたいです。

本当だったのか。ごめん。

 

(でも、「キンモクセイの香りがわからない」というのは
どうもエスシの個人的なもののようだな…)

 

**

 

ということは。
私がキンモクセイの香りで秋の深まりを知るのは
今年が最後なのか。

ちょっと考えられないな。
わたし、キンモクセイ好きなのにな。
寂しいな。

 

秋にキンモクセイの香らない土地に移住する。
それを嘆くほど私は風流な人間ではないけれど、
今まで当たり前だった「キンモクセイの香りイコール秋の深まりの合図」が
当たり前ではなくなることの、実感が湧かない。

 

でも、来年の今頃に、「ああ、今年はキンモクセイの香りがないな」なんて気づけるのだろうか。
無いものに気づける自信はない。