東京から北海道に移住する記録

2024年4月の北海道移住に向けて書きます

引っ越し④訪問見積もり実録

(引っ越し③の詳細です)

 

1月*日。
訪問見積もりに来てもらう。

 

 

ご注意:この記事に引っ越し関係の広告が表示されていても、
それは私が表示させているものではないのでよろしくね。

 

なぜ訪問見積もりか

いままでに引っ越しは2回、経験しているけど
そのどちらも単身引っ越しだったので
電話やオンラインで、大体の荷物量を申告すると
「それなら2トンショートで、作業員は二人で」
とか決めてくれていた。

それを「見積もり」と思っていたのだけど
2人以上の引っ越しだと、実際に荷物の量を確認するために
業者さんが部屋に来る「訪問見積もり」というのが
今では主流らしい。

(ただし、大手引っ越し業者さんは
オンライン見積もりが出来るところもある)

 

だけど私たちの部屋には
通常、ほとんど来客はなく、
「知らない人が部屋に上がる」ことには少々抵抗があった
(定期検査でガス屋さんが数分立ち入ったりするのも
恐怖とか心配とかではなく、慣れないことなので単にそわそわした)。

 

引っ越しの見積もり、ということは
どんな荷物をどれくらい運ぶのか、を確認するわけで
つまり「生活の感じや、家財道具を目視される」ということで
なんだか恥ずかしいんだよね…。

 

なので見積もりの電話をしたときに
訪問以外の見積もり方法がないか聞いてみたのだけど
「単身引っ越し以外は、原則として訪問見積もり」との返答がほとんどで
それならまあ仕方ないよね…と納得するしかなかった。

 

それに、
引っ越し業者さんが一番困るのって
引っ越し当日に用意したトラックに荷物が乗り切らないことだと思うので
(もちろん客だってそれはすごく困る!)、
そんなことにならないためにも、
事前にちゃんと荷物量を確認することが大事なのだろう。

 

つまり、訪問見積もりとは
引っ越しを成功させるための
客と業者の共同作業なのだ…!!
(たぶん)

 

事前準備

ということで
訪問見積もりを成功させるために
まずは「持っていくもの」「持って行かないもの」の仕分け。
エスシと改めて、「これは持っていくんだよね」「これは捨てるんだよね」と確認し合う。
決めかねているものは「これはまだ悩んでいます」と正直に伝えること。

 

それから、片付け。
私たちふたりにとって快適に散らかっているこの部屋に
業者さんとはいえ、人を招くわけなので
ある程度は掃除をして、整えておくのがマナーではなかろうか。


…いや、単に散らかっている部屋を見られるのが恥ずかしいだけだった。


散らかり具合を見てもらうことこそが「荷物量の正確な把握」に繋がるのかもしれず、片付けるのは判断ミスにつながるかもしれない、
余計なことをしてはいけない…!

と思わなくもなかったけど、
それよりも「この散らかった部屋を見られたくない!」という気持ちが勝り、
訪問時間ぎりぎりまで、せっせと片付けた。

あとは、契約について。
「絶対に、アイミツを取ろう」
「どんなに安さをちらつかされても、即決はしないでおこう」
「でも〇〇円でいけるとか言われたら、それは即決でもいいかな」
エスシと決めておいたのは、これくらいの緩さだった。
引っ越しまでまだ時間はあるから、焦らなくていい。
まだ一社目だし。

 

 

当日

 

さて当日。

 

予定時刻の30分前に電話が鳴り
「早く着いちゃったんで行っていいですか?(意訳)」
と言われるが、
こちらは片付け追い込み中だったため申し訳ないが断り、
でも待たせるのも悪いなと
15分後ならOK、と返事をする。

 

スリッパどうする問題

 

スリッパを用意したほうがいいのか
事前にググったのだけど
たいした有力情報はなく、

たまたま読んだサイトには
「相手の足のにおいが気になるなら用意しておきましょう」と書かれていて

え…?スリッパってそのために用意するの?
相手の足の裏が冷たくならないように用意してあげるんじゃなく?
と、初めての視点を得て動揺したのだった。
(動揺したあと、まぁそんな考え方もあるよね、と納得する。)

 

で結局、
お部屋の内見するときって
不動産屋さんが、自分の分と客の分と、スリッパ用意してくれてることあるよね?
てことは、
訪問見積もりだって、スリッパくらい自分たちで用意してくるんじゃない?
それに、そんなに長時間にはならないはずだから
スリッパなくてもそんな寒くないよね?我慢できるよね?!

と思うことにして、
つまりスリッパの用意はしなかった。

 

あと、スリッパと同様に
飲み物を用意するかどうかも、ちょっと悩んだのだけど
これは「余裕があったらお茶を入れて3人で飲もう」と決めた。

…のだけど、結局そんな(心境的な)余裕はなくて
飲み物は出せなかった。

 

もしこのブログに
「訪問見積もり スリッパ 飲み物 どうする」の検索でたどり着いた人がいたら

スリッパ➡持ってくるかも。
飲み物➡出したかったら出そう。

たぶんどちらがあってもなくても、見積もり金額には大した影響はないと思うよ。

 

業者さんは30代くらいの男性。
スーツで、マスクはしていない。
たぶん、訪問見積もり時にマスクするのかしないのか、
社内でも議論があったんじゃないかな…と推察される。
(妄想です)

今の世の中、マスク着用自由とはいえ
「客の前でノーマスクは失礼だ!」
「いや、初対面の客の前でマスク着用は失礼だ!」
なんて。めちゃ想像できますね。(妄想です)

で結局、
「個人の自由に任せるが、ノーマスクとする場合でも
お客様からの要望があった際にすぐに着用できるよう、
常にマスクは携帯すること!」
とか決着がついたのだろう。
(妄想です)

 

別に私は
「失礼だ」とも「失礼でない」とも思わず
上記の妄想が一瞬で脳内を駆け巡り
「大変ね…」と思っただけ。

 

で、「すいませんお客さん用のスリッパの用意がなくて!」と先手を打つと、
「あ、大丈夫です、持ってきてますんで!」と。

ビジネスホテルにあるような、白いタオル地の、
ビニールに入った新品の使い捨てスリッパを
彼は取り出したのだった。

ほらね!!
心の中でガッツポーズ。

 

ほらね、やっぱり相手はプロだから。
私たちは訪問見積もり初めてだけど
相手は、もうこればっかりやっているプロだから
今日これからの段取りも、相手にまかせちゃおう~

 

段取りはお任せする

 

部屋に入り、名刺を渡され、ご挨拶ののちに
「私たち訪問見積もり初めてなので、勝手がわからないんです」と
正直に言っちゃう。

すると彼は「大丈夫ですよ、お任せいただければ」と応え、
「じゃあまず、鞄を置かせていただいていいですか?」

どうぞどうぞ、どこにでも置いてくださいと言うと
わざわざ彼はハンカチを取り出し、それを床に敷いて
その上に鞄を置いた。

わーこれは、普通の会社では見たことない作法だな!
と感心したのもつかの間、
「では奥のお部屋から見せていただけますか~」と始まったので
もうその後は、言われるがままに
クローゼットを開けたり、
持っていくものと捨てるものを伝えたり、
洗面所を見せたりして
あっという間に荷物量確認は終わった。

いよいよ価格交渉

その後、ダイニングテーブルに
彼と、私たちふたりとで向かい合って座る。

今見せていただいた荷物量だと
トラックの大きさはこれくらいになりそうです、
搬出の希望日時とかあります?
お引越し先は何階ですか?エレベータありますか?

じゃあいったん、ここまでで
金額出しますね…

と彼が叩いた電卓の数字は

 

私たちが「これくらいだったら助かるよね」と言っていた金額の
倍以上の数値だった。

 

「ご予定とくらべて、いかがですか?」と聞かれたので
「いやー、もう全然、半額以下の、さらに下くらいで考えてましたね」と
正直に伝える。

 

まあ、そうですよね。
事前に、ネットとかYouTubeとかで見た
「東京ー北海道の引っ越し平均価格!」みたいな情報にだって
「長距離だと当然、引っ越し代は高いし
しかもそれが繁忙期なら、もっと高いよ」と書かれていた。

 

それを見なかったことにして、
私たちは無茶な数字を用意していたのだ。
だってまだ、2か月も先だもの。
そして今はまだ年が明けたばかりで、業者さん的にも余裕があるはず、

つまりこちらの希望を通しやすい時期なのではないか…?

と想定していたのだけれど、
どうも、これは当たっていたっぽい。
(と、思わせてくれたのも彼の技術なのかもしれないが)

 

たくみな話術にのせられながら
正直な要望を伝えた結果、
「じゃあお客さんの希望金額言ってみてよ?
それで本社に交渉するから。
でも、本社オッケーが出たらもう
今ここで即決してくれるって約束してくれるよね?
そしたら今からこの場で電話して値引きがんばるからさ!(意訳)」
というのを、
なんというか、引っ越し業者さん特有の言い方
(丁寧だけど、言質を取る的な技術)で言われ、

エスシと、
うーん即決するつもりはなかったよね…と
目くばせしながらも、
「じゃあ、〇〇円でどうですか?」と伝えると、

「では税込みで〇〇円で、交渉します!」と
本当にその場で電話をし、
なんとオッケーが出たという。

 

最初に電卓で見せてくれた数字の
約3分の1の金額だ…

(ちなみにここまでで、
なんだかんだ、新しいおうちへの搬入を1日前倒しし、
本来は別料金(と言われている)の搬出・搬入の時間指定を含めて
交渉している)

 

わー…
即決するつもり、なかったんだけどな…
でも私もエスシも、やっぱり即決したくないですとは言えず、

 

というか、まさかその金額でいけるとは
思っていなかったというのが正直なことろで、
これは…たぶん、他の業者さんで見積もりとっても
これより良い(安い)金額は出ないだろうな、と
半ば呆れて
もうここでいっか、と
決めてしまった。

 

他社キャンセル

そしてその後、
「すいません、他の業者さんの訪問見積もり
いまキャンセルしてもらえますか?」と言われ

ああそうか、
めちゃがんばって出したこの価格をダシに他の業者にアイミツとられて
やっぱり別の業者にしますぅ~なんて言われたら
彼にとっても、本社に顔向けできなくなっちゃんだな、

ていうか、もしかして過去にそんな目に逢ったことがあるのかな?
かわいそう…

と、これもまた妄想なのだけど、過酷な引っ越し業者さんの営業というお仕事に思いを馳せると同時に敬意を表し、
その場で別の業者には断りの電話を入れた。

 

尚、私が電話番号を調べるのにもたもたしていたら
「B社さんですよね?ぼく電話番号わかりますよ?」と言われた。
番号わからないので後で電話します、とか誤魔化されることも
日常茶飯事なんだろうなと思うと(妄想です)
ホントに大変なお仕事だなぁ…としみじみ思った。

 

その後は、細かい注意事項説明があり
仕上げた契約書にサインをし、
軽い雑談ののちに
滞在時間は40分くらいだっただろうか、
彼はまた次の訪問見積もり先へと向かっていった
(年明け早々だというのに、今日はあと4件予定があるとのことだった)。

 

感想

彼が去った後、
私とエスシはなんだか呆気に取られてしまっていた。

「引っ越しの営業さんてすごいね…」
「元の値段ってなんなんだろうね…」
「正直、他の業者さんとまたこれ(訪問見積もりからの価格交渉)やれる自信ないわ」

引っ越しの営業さんてすごいねー、と、二人の感想は一致していた。

たった一人で
客先に乗り込み、
荷物量を把握し、
複雑な計算をこなし、
会社の利益が出る(あるいは、客が良い気分になるような)
ギリギリの割引を計算し、
契約書にサインをさせる

という、その総合的な技術の結集が
さっきの彼だったのかと思うと
もう無条件で、引っ越しの営業さんってすごいな…と
思わざるを得ない。

 

だって、
思いっきり値引き交渉しておいて言うのもアレだけど、
業者さんとしては、利益を出さなきゃいけないわけでしょ?
だから、ただ値引きすればいいってもんじゃないと思うんだよ。

きっと、
3月の売上目標!っていうのが
個人なのか、会社全体でなのか決まっていて、
その達成のために、今ならまだ余裕があるからこれくらいは値引けるな、とか
期日が近づくと、もうこれ以上は値引き無理!とか
いやもう今決めないと客だって困るだろうし、つまりこれは強気で出ていい案件!とか、
そういう駆け引きだって発生するんじゃないだろうか。

そういうのを、客の部屋でたった一人で、素早くシミュレーションできるのって
私には絶対ないスキルだから、本当にすごいなぁって思った。

 

それなのに無茶な値引きをお願いしてごめんね
と言う申し訳ない気持ちと

でも、こちらはこちらで客として
できるだけ安い金額で引っ越しをしたいのは当然だよね?

という図々しい気持ちとで
わりと疲れてしまった。

 

でもまぁ、私たちが値引いてもらった分は
お金に困っていない大富豪の引っ越しの時に
埋めてくれるでしょう。

 

ご注意(再掲):この記事に引っ越し関係の広告が表示されていても、
それは私が表示させているものではないのでよろしくね。