２月＊日
退職届を出す
いままでに何度も後輩たちの退職届類一式を整えてきたが
自分で自分の書類を仕上げるとはね。
退職届の書式に必要事項を記入し
押印したものを、付き合いの長い上司に手渡した。
しばらくして、上司の捺印済で
書類一式が戻ってきた。
あとはこれを人事部に提出する。
書類一式を郵送する旨
人事部にメールで予告したところ
「長い間、お疲れさまでした」
と、返信があった。
いままでに何度も人事関連のやり取りをしてきた、
でも実際に会ったことはない、人事のひと。
そのひとからの
「長い間、お疲れさまでした」
が、期せずして、私のこころにぐっと刺さり
ああわたし、長い間がんばったんだな…
そのことを、こうして労ってくれるひとがいるんだな…
と、報われたような気がした。
人事のひとは、通り一遍の言葉として
「長い間、お疲れさまでした」と言ったに過ぎないのもしれないけど（たぶんそうだろう）、
でもなんだか、嬉しかった。
辞めるのは完全にこちらの都合だし
そういう意味では未練も後悔も全くない。
と同時に
やり切った感も正直なくて、今まで来たのだけど
会ったこともない人事のひとからの
おつかれさまでした、の言葉で
区切りをつけてもらえたことが
私を少し救ったのかもしれない。
