東京から北海道に移住する記録

2024年4月の北海道移住に向けて書きます

仕事⑥また私より先に去る人が

9月*日。

仕事の取引先のひとから、休職メールが届く。
予期せぬことだったのではっとした。

 

 

そのひととは、電話とメールとのやりとりばかりだった。
つまり本人に会ったことがない。
それでも、電話もメールも、的確で切れがよく、他社でありながらとても頼れるひとだった。

 

産休に入るのだと言う。
出産予定は、2月。

 

彼女が職場に復帰するとき、私はもう居ないのか。

 

そのことを、彼女に知らせるべきだろうか?

 

**

そもそもの、「退職メールに返信するか否か」。
これは、自分の退職は関係なく、以前からの悩みの種であった。
だって、形式的な一斉メールだし、
返信したときにはもうすでに居ないかもしれないし。

 

でも、今回は悩む暇もなく、選んだのは「返信する」だ。

だって私は彼女のことが大好きだったから。

直接顔を合わせたこともない、他社の彼女。
だけど数年の、電話やメールのやりとりで
私は彼女のことがすっかり好きになっていたのだ。

 

そうか、退職(休職)メールに返信するかどうかなんて悩まなくていいんだな。
という気づきを得ながらも、
で、私じつは2月末で退職するんです、ということはさすがに言えなかった。
「お戻りになるのをお待ちしています」とも言えなかった。
彼女に嘘をつきたくなかった。

本当は、この仕事に必要なひとだから、全力で帰りを待ちたかった。