東京から北海道に移住する記録

2024年4月の北海道移住に向けて書きます

東京でやっておきたいnのこと④村上春樹ライブラリーへ行く

1月*日。

村上春樹ライブラリーへ。

 
正式名称は「早稲田大学国際文学館」だったかな、
だけど私にとっては村上春樹ライブラリーなので、このまま行く。
 
 
村上春樹ライブラリー。
それが出来たというのは知っていた。
コロナ禍だったこともあり、「いつか行こう」と思っていたのだ。
いつか行こう。
近いから、いつだって行けるし。
 
そして行かずに過ごして、今日に至るのだ。
そんなのばっかりだな、私。
 
 
早稲田の駅を出る。
学生さんの波に呑まれていたら自然に大学構内にたどり着いた。
行き交う外国語、
聡明そうな若者たち、
たくさんの大きな立て看板。
広い道と、豊かな樹木と、堅牢で重厚な建物。
 
これが早稲田大学か。

遠くに大隈講堂

私は学歴コンプレックスがあるので
眩しすぎてつい伏し目がちになってしまう。

 

演劇博物館

 

道のずっと向こうに見えているのが
演劇博物館だということは知っていた。
昔、演劇をやっていた頃、
いつか行ってみたいな、と思っていたのだ。
でもやっぱり、当時は今よりもコンプレックスがひどくて
早稲田なんかに近寄れるわけがなかった。
 

 

そのうち、曲線が特徴的な建物に着いた。
 
これか?
 

これだな。

 

 


中は明るくて、

コンパクトなのに広くて、
開放的なのに濃密で、
 

 

村上春樹の著作、関連作品、
レコードやゆかりの品物なんかが飾られていて
静かに激しく興奮した。
 

ピーターキャットの椅子!

 

平日の昼間なんて人いないだろうな、と思っていたのは全然ハズレで
学生さんは普通の図書館のように勉強や調査で使っているし
私と同じ一般のファンらしき人も次々と入館してきていて
活気のある場所だった。
 

 
ちょうど安西水丸展が開催されていたのも
私にとって幸運だった。
 

 
村上春樹といえば、安西水丸
安西水丸といえば、村上春樹
それは私がいちばん虜になっていた頃。
 

 
つまり、私のなかに文章と絵で「村上春樹」が構成された
そのときの組み合わせを、こうして体感できてしまったのが今回の訪問だった。
 

 

 

印象。
展示物はどれも見やすく、難解なキャプションもなく、
親しみやすくて居心地がよかった。
 
けど、なによりも一番その空間に重要な要素だったのは
そこに集う人々だったんじゃないかと思う。

 


執筆や、ミーティングや、読書で

思い思いに過ごす学生さんたち。
村上春樹作品の読者たち。
たまたまカフェに寄っただけの人たち。
 
そういうバラバラな人たちが
人生の一瞬を、いまここで過ごしていることが
いちばん、村上春樹ライブラリーらしい景色なんじゃないかと
私は思ったのだ。
何の根拠もないけれど。
 
そして、ラボと名付けられたスペースで
さまざまなイベントが開催されるようなのだけど
そういうときは、きっとさらに村上春樹や文学のファンが
大勢集って、また違う熱を帯びるのだろう。
 
なんだか、この建物は
ちょっとした生命体みたいだな、と思った。
 
 

 
最後に立ち寄った満席のカフェで
プレゼン資料を作成する学生さんと
レポートを書く学生さんに挟まれながら
バジルパスタをいただく。
 
店内は、いくつかの言語が飛び交って
音楽と、食事とが揃って
快適なざわめきに満ちていた。
 
言語を超えたり、時間を超えたりしながら生きる
村上作品の豊かさや、幸福さを
しみじみと浴びることができた時間だった。
 
**
 

トイレのピクトグラムが可愛すぎたので紹介して終わります。

 

 
“トンネル”にむかう人々。
隈研吾さんの建築も素敵だった。

 

尚、改修のためにこれからしばらく休館するそうだ。
再開館は3月。
ぎりぎり行けてよかった。